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イギリスの田舎暮らし、バイリンガル育児、イギリス英語についてお届けします

【イギリスの小学校】保護者と子供たちが学校に求めるものとは?

red apple fruit on four pyle books

 

先日、娘の通う小学校で、保護者に対してアンケートが実施されました。項目は、学校生活、給食、設備についてなど、多岐にわたるものでした。

 

そしてその結果をまとめたものが、今週受け取った保護者宛てのニュースレターに掲載されていました。アンケートを取ったら、取りっぱなしでなく、ちゃんと公表してアクションにつなげる姿勢を見せるのはとてもいいことだなと思います。

ちなみに「アンケート」は、英語では questionaires といいます。(日本語のアンケートという言葉はフランス語の enquete (調査する)という言葉が語源だそうです。)

 

今回の記事では、アンケート結果でおもしろいなと思ったところを中心に書いてみたいと思います。そこで出てきたイギリス英語もあわせてご紹介します!

 

 

 

【イギリスの小学校】保護者と子供たちが学校に求めるものとは?

 

授業開始時刻前に子供を放置しないでください

娘の通う学校の授業開始時刻は9時です。でも校門は8時45分から開きます。子供たちは8時45分から9時の間に登校する決まりになっています。

学校の案内には、

We open our doors earlier than the official school starting time to give the children time to settel into class before 9am registration.

子供たちが9時の出欠確認の時間までに落ち着く時間があるように、正式な開始時刻より早めに校門を開けます。

と書かれています。

 

つまり、子供たちが登校してすぐにバタバタと授業を開始するのではなく、開始時刻の15分前に教室に入れるようにすることで、余裕を持って1日を始められるようにしているということです。

 

➡ワンポイント【イギリス英語】

「出欠の確認」はイギリス英語では register が使われ、出欠がチェックされる時刻のことを registration といいます。出席簿のことは attendance register ですが、略して register ということが多いです。アメリカでは attendance が一般的ですね。

 

「先生が出欠をとる」は、

The teacher takes the register. 

のように言います。Takeの代わりに do を使って、 

The teacher does the register.

ということもあります。

 

 

イギリスの小学校では、基本的に保護者による送り迎えが必須です。「5年生(10歳)以上は家が近い子は送迎なしで登下校しても良い」としている学校も多いですが、実際一人で来ている子はとても少ないです。

 

仕事をしているイギリス人の朝は早いです。日本のように画一的な始業時刻はないところが多いですが、8時スタートなどが多いように思います。

そこで何が起こるかというと、少しでも早く勤務先に到着したい親が、子供を早めに学校に送っていき置いて行ってしまうということです。

早く行っても校門はまだ空いてないので、学校前の広場(一応敷地内ですが)で子供たちはたむろすることになります。

 

今回のアンケートでは、一部の保護者からこのことについてクレームが出たようです。何かあったときに危ないので、当然のクレームではあります。

ニュースレターには、「8時45分より前の時間帯は監督者(supervisor) はいません」「8時45分より前に到着した場合は子供を置いて行かないでください」「8時45分より前に子供を預ける必要があればブレックファストクラブを利用してください」と書いてありました。当たり前なんですけどね。。。

 

※「ブレックファストクラブ」とは学校が運営している朝の学童のようなところです。

両親ともに仕事のため朝早く家を出ないといけない家庭などの場合は、7時半から子供を預けることができます。朝ごはんも食べさせてくれて、子供たちは学校が始まるまで室内で自由に遊んでいるようです。

 

宿題が多すぎる?

boy writing on printer paper near girl

 

一部の保護者から、「宿題が多すぎる」という声が出たそうです。

私はイギリスの小学校の宿題の量は、日本と比べるととても少ないと思っていたのでこれは驚きでした。

 

kamemari.hatenablog.com

 

校長からのニュースレターに、次のような文章があったのが印象的でした。

We really appreciate the hard work from parents to support their children outside of school and I agree that family time is very important. 

いつも子供たちを学校外で熱心にサポートしてくださりありがとうございます。家族の時間が大事だということも同意できます。

 

おそらく、「宿題をすることに家族の時間が奪われている」というようなコメントがあったものだと思われます。

 

今、私の娘は一番下の準備学年なので、宿題のレベルも難易度の高いものではなく、楽しみながら取り組めるようなものばかりです。時間的にも20分あれば終わります。

それでも、娘が一人でやることはほとんどなく、私が横についていっしょにやっています。

娘の理解が進んでいく様子もわかるし、娘はくもんなどのワークブックなども含めて「お勉強好き」(?)なので、わりと楽しい時間です。そんなことから、私は娘が宿題に取り組む時間も親子の時間だと認識していました。

 

でも、きっと学年が上がれば、ひとりで宿題をするようになって、「勉強する時間」は「親子の時間」ではなくなるのだろうなぁと気付かされました。

成長過程の一部だとはいえ、それはやはり寂しいし弊害もある気がします(もちろん家庭や子供によるとは思いますが)。そこでやはり、日本ではお馴染みの「ダイニング学習」導入だな、と思いました。

ダイニング学習、イギリスではどれほど一般的なのかはまだわかりません。ちょっとリサーチしてみて、その辺りの事情がわかればまたブログに書きたいと思います。

 

 

カフェテリアで後ろの方に並ぶと給食が残っていない!

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イギリスの小学校の給食はカフェテリアで食べます。

4歳児でも、トレーを持って並び、自分の番が来たら食べたいものを言ってお皿に盛ってもらい、空いているテーブルを探して、自分でそこまで持って行って食べます。

 

メニューは日替わりで、ベジタリアンメニューもあります。(お弁当を持ってくることもできます。)

基本的に、食べたいものを食べたいだけ食べるので、日本のように「残さず食べなさい」と言われたりすることはありません。これについては以前こちらの記事に書きました。

kamemari.hatenablog.com

 

私は個人的に「嫌いなものでも全部残さず(無理やりでも)食べること」にあまり重要性を感じないので、イギリス式の方が合理的でいいなと思っています。

 

が、今回のアンケートで判明したのは、「列のうしろの方に並んでしまうと、順番が来たときにはほとんど残っていないこともある」という事実。これは学校給食としてちょっとありえないですね。

特に高学年の子たちは、食べる量も多いので、うしろの方に並んでしまった日には少ししか食べられずお腹がすく、ということもあるそうです。ランチタイムは、下の学年から交代でカフェテリアに行くので、高学年の子たちの番がきた頃にはもう残りが少なくなっているということのようです。

 

食べ盛りの10~12歳の子たちが、給食の量が少なくてお腹がすくなんてとてもかわいそうです。

娘は一番下の学年なので、一番たっぷりあるときにサーブしてもらえるはずですが、人気メニューの魚のフライの日などは、

「今日は fish finger が売り切れだったの(しょんぼり)」

 と言っていることがあります。

娘が「売りきれ」というのがおかしくてつい笑ってしまったりするのですが、ぜひ改善してもらいたいところです。 

➡ワンポイント【イギリス英語】

イギリス料理の定番として、Fish and Chips (フィッシュアンドチップス)があります。タラなどの白身魚にころもをつけて揚げたものですが、これを子供用に食べやすくしたものを fish fingers といいます。

魚の身がスティック状に成型されているので、子供でも食べやすいです。

アメリカ英語では、fish sticks が一般的です

 

 

子供たちからのリクエスト

photo of bulb artwork

 

今回のアンケートは、保護者だけでなく、子供たちにも実施されたようです。この試みは素晴らしいなと思いました。

でも娘に聞いてみたら、「??」だったので、アンケート用紙に自分で記入することができるような中高学年だけだったのかもしれないです。

 

子供たちから寄せられた意見としては次のようなものがありました。

- Nice flowers in the playground. (きれいなお花を校庭に)

- Twinkle lights. (電飾)

- Make building bigger quicker!(増床工事を早く終わらせて!)

- Monkey bars outside. (屋外のうんてい)

- Swings and slides. (ブランコとすべり台)

- Basketball hoop. (バスケットボールのネット)

- Outside drawing tables. (屋外のお絵かきテーブル) 

- Buddy bench. (バディベンチ)

 

この小学校には広い校庭が2つあるのですが、どちらもだだっぴろい芝生です。かろうじてサッカーのゴールが設置されているのですが、遊具的なものは何もありません。(併設のナーサリーにはあります)

送り迎えのときに見ていると、子供たちは追いかけっこやボール遊びなどをしています。遊具がないけど子供たちはいいのかなと思っていましたが、やはり欲しいようです。

 

最後の buddy bench(バディベンチ) というのは、私は知らなかったんですが、皆さんご存知でしょうか。「バディ」は「友達」という意味ですね。バディベンチというのは、校庭でいっしょに遊ぶお友達がいなくて一人ぼっちになってしまったとき、そのベンチに座れば誰かが誘いにきてくれる、というものだそうです。

もとはアメリカの小学生が考案したもので、アメリカやカナダの多くの学校で導入されているようです。

 

そして、今回のアンケートの子供たちの回答から採用されたものがいくつかありました。 

- A cookery club. (お料理クラブ)

- A day where we dress up as a country. (何かの国の格好をして登校する日)

- Free fruit for break. (休み時間の果物)

- Music at lunchtime. (ランチタイムのBGM)

- Toilet refurb in Y5/6. (5,6年生用トイレの改装)

- More library books.  (図書館の本を増やす)

 

➡ ワンポイント【イギリス英語】

お料理クラブは cooking club とも言いますが、伝統的なイギリス英語では cookery club です。

お料理教室はcookery class、料理の本は cookery book、のように使います。アメリカではそれぞれ cookig club, cooking book です。

 

子供たちが「どこかの国の格好をして登校する日」ができるとのこと、日本人ファミリーとしては待ってました!という感じです。夏だったら浴衣だな、冬だったらどうしようか、、などと既に妄想しています。

前回の記事にも書きましたが、イギリスの小学校は本当にこういうコスプレ(?)が好きですね。

 

kamemari.hatenablog.com

 

そして 「ランチタイムにカフェテリアで音楽を流す」というのが採用された、というのが気になります。どんな音楽になるのかな。

子供向けの童謡にしたら高学年の子には幼稚すぎるだろうし、ローティーンが好きそうな流行りのポップをガンガン流されるのも4歳児の親としてはちょっとうーむ、、と思うし。そうなるとインストルメンタルかなぁ。

4歳から12歳の子たちみんなが楽しめる音楽となると選曲が難しそうではあります。

そういえば日本の小学校では給食タイムに校内放送があったように思います。子供たちの放送委員とかもあったような。今でもあるのかな。ぴんぽんぱんぽーん♪というチャイム音が懐かしいです。