グラスをあわせて "Cheers!" と乾杯するシーン、海外ドラマや映画にもよく出てきますよね。日本語の「乾杯!」にあたる言葉です。
ところが、イギリスではこの Cheers! が使われるシチュエーションは、乾杯のときだけではないのをご存知ですか?私はイギリスに来るまで「Cheers!=乾杯!」だと思っていたので、他にも意味があるというのはとても驚きでした。
今日は日本人があまり知らない、イギリス英語での Cheers の意味をご紹介したいと思います。
Cheers! の意味その1:ありがとう!
イギリス英語では、Cheers には「ありがとう」の意味があります。
「ありがとう」は英語では thank you ですね。Thank you はどんな時にも使える言い方ですが、ありがとうの意味での cheers はカジュアルな表現です。雰囲気としては Thanks! に近いです。
例えば、細い道を歩いていて後ろから自転車に乗った人が来たときに、少し道のわきに寄って自転車を先に行かせてあげたことがありました。するとその自転車に乗った人は横を通りすぎるときに、"Cheers!" と言って走り去っていきました。日本語でいうと「どうも~!」という感じでしょうか。
他にも、床に落としたものを拾ってあげた時に Cheers! と言われたこともあります。
また、Thank youのあとにくる前置詞は for ですが、cheers も同じように使うことができます。例えば、"Thank you for helping me!" という代わりに "Cheers for helping me!" ということもできます。
Cheers の意味その2:じゃあね!
イギリス英語では、cheersには「じゃあね」の意味もあります。
英語の別れ際の挨拶は、Bye!, See you!, See you later! などがよく使われますが、これが cheers で代用されることがあります。
「ありがとう」の意味と同様、カジュアルな表現なので目上の人やオフィシャルな場では使われません。
Cheers! の意味その3:ありがとう!&じゃあね!
実は cheers は「ありがとう」と「じゃあね」をひと言でいえる便利なことばでもあります。
この意味で使われているのをよく聞くのは、お店のレジです。コンビニやスーパーでお会計をして、お釣りやレシートを受け取るときに、お店の人がかけてくれる言葉は Cheers! であることが多いです。
また、バスやタクシーを降りるときに、乗客は運転手さんに cheers! と言って降りることもよくあります。Cheers!と言われた運転手さんがお客さんに返す言葉も、Cheers! です。
Thank you, bye! ( = Cheers!)
You're welcome, bye! ( = Cheers!)
という感じですね。
実は私、はじめイギリスに来た頃はレジの人が言う cheers が聞き取れず、なんて言ってるんだろうとずっと疑問に思っていました。どうしても気になって最後はイギリス人のママ友に聞いてしまいました! アメリカではお会計のときには "Thank you. Have a nice day!" のようなことを言われます。Cheers はまず聞きません。
さらに、cheers は会話だけでなく、メールでも登場することがあります。英語のメールは、結びに Best wishes や Kind regards などをつけますが、これらの代わりに cheers を使う人もいます。
もちろんこれもカジュアルな表現なので、親しい間柄でしか使いません。
女性はあまり使わない?
ここまでイギリス英語で cheersのもつ意味についてご紹介してきましたが、実は「ありがとう」や「じゃあね」の意味でのcheersは女性はあまり使いません。(「乾杯!」の意味では使います。)
Cheers! は男性的な響きがあるようで、男性同士の会話で使われるのが一番多いケースです。次に多いのが、お店や道などで「ありがとう!」の意味で男性から女性に向けて使われるケースです。でも、女性から女性、女性から男性へ向けて Cheers! ということはあまりないです。
唯一、女性が cheers を使うのはメールやSNS、ネット上のコミュニティサイトなどの書き込みです。私がよくのぞいているママ向けの交流サイトでも、次のような投稿を見かけました。
1. Can anyone recommend a swimming class? Any info will be totoally useful. Cheers!
2. Anyone know somewhere local that does a good breakfast? Cheers in advance.
2つ目の方の例は、cheers を "Thank you in advance" のように使っていますね。Thank you in advance はメールなどで問い合わせをしたり、何かお願いをするときの末尾によく使う表現です。「先にお礼を言っておきます」という意味になります。
まとめ
今回はイギリス英語では Cheers! は「 乾杯!」だけではなく、「ありがとう」や「じゃあね」の意味もあるということについて書きました。この用法の cheers は日本ではあまり知られていないように思いますが、イギリスで生活していると日常的にとてもよく耳にします。
イギリスでお買い物などをする機会がある方は、お会計のときにぜひ意識して聞いてみてください!