イギリスの田舎に住むわが家の4歳児はお家では日本語、外(主に学校)では英語で生活しています。
とは言え、家族で外出中などは外でも日本語で会話をしています。でもそこに英語話者が入って来たら英語になることもあります。例えば家族で子供のお出かけスポットに出掛けたときにお店の人などが娘に誰かが話しかけてきて会話が始まったり、買い物中にばったり知り合いに会ったときなどは英語で会話をします。
ところが夫は基本的にシャイなため、そういう場面ではへらっと笑って立っているだけか、話が長くなりそうだったらしれ~っとどこかへ消えて行くこともあります。自分の知り合いに会ったときはさすがに世間話を少しする程度のソーシャルスキルは持ち合わせていますが、私のママ友にばったり会ったときなどはまず会話に入ってきません。
そういうわけで、夫が英語を話すのを娘が聞く機会は、
1)レストランで注文するとき
2)家で共著者の人などと電話やスカイプで話をしているとき
3)夫のオフィスに遊びに行ったときに同僚に会えば挨拶をするのを見るとき
程度です。
1の場面では夫は注文するときにお店の人と必要以上の会話はしないので一瞬で終わります。2はそもそもあまりないですし、3も1と同様であまり長い会話はしないタイプです。
こんな感じで娘は夫が今まで英語を話しているのを聞く機会がほとんどないまま4歳半になってしまいました。
実際夫の英語はどの程度かと言うと、得意ではないもののアメリカやイギリスで生活する分には困らないレベルです。夫の仕事は大学教員ですが、論文執筆も授業も英語でしています。あまり社交的とは言えない性格から、話すより書くスキルの方がずっと高いです。
そんなことは知らない娘は、なんとなく「おとーさんは(あまり)英語ができない」と思いこんでいたのでは思います。まぁ無理もありませんが。絵本はときどき読んであげていますが絶対日本語の本しか読まないし。。
しかしここにきて、研究費の支援をいただいている財団への報告書に写真が必要ということで、夫が大学で撮ってきた写真を見る機会がありました。
おとーさんは先生ということは知っていた娘ですが、夫がたくさんのイギリス人学生を前に話す姿を見るのは初めてです。
おとーさんがお仕事してるところだよ、この人たちは学生だよ、と言って写真を見せると、
「。。。。。。おとーさん、英語でお話ししてるの??」
と驚く娘。
そうだよ、〇〇が学校では英語でお話ししているのといっしょで、おとーさんもお仕事では英語だよ、と言うと
「知らなかった。。。」
とつぶやいていました。
普段いっしょにいる時間は私との方が圧倒的に長い娘。今も昔もママっ子で、おとーさん嫌いの難しい時期もありました。
ときどき「おとーさんあっち行って」などとけっこうキツいことを夫に言う娘ですが、夫が働く写真を見て何か感じるものがあったようです。尊敬、かな?あまり見たことのない表情でじーっと見ていました。
娘は、大きくなったらおとーさんの大学に行くの!とよく言っています。理由は、
「大学は広いから迷子になったらおとーさんのオフィスに行けばいいから。」
だそうです。接する時間は短いけど、娘にとって困ったときには頼れるおとーさんという立場を確保してくれているのなら、忙しい夫にしてはあっぱれだと思います。
これまで娘は私と2人のときはめんどくさくて英語を混ぜながら話すことがあっても(英語モードのまま帰宅する平日の放課後に特に多いです)、夫もいるときは100%日本語で話していました。このことは環境によって言語を使いわける(うちの場合は家と外)というとても良いバイリンガル環境につながってきました。
しかし、おとーさんも実は英語ができると娘が知ってしまったいま、「お家では日本語」を今まで以上に意識してやらねばと思います。