娘が通うイギリスの小学校は今週から約2週間のイースター休暇に入ります。
お休みに入る数週間前から、わくわくしている子供たちをしり目にそっとため息をつく親も少なくはありません。
私も「娘が学校が休みのときぐらい娘との時間を満喫しよう!」とは思うのですが、なんせイギリスの小学校は休みが多いのです。
2月にも1週間のお休みがあり、4月には今回のイースター休暇(2週間)、5月にも1週間の休みがあります。
今回は親の頭を悩ませる、イギリスの共働き家庭の子供の預け先についてご紹介します。
目次
お留守番ができる年齢は何歳?
前提として、イギリスの小学生を持つ親は、イースター休暇や夏休みなどの長期休暇に「子供を一人でお留守番させる」というチョイスはありません。
イギリス 政府のウェブサイトには次のような記載があります。
The law on leaving your child on their own - GOV.UK
The law doesn’t say an age when you can leave a child on their own, but it’s an offence to leave a child alone if it places them at risk.
...
Parents can be prosecuted if they leave a child unsupervised ‘in a manner likely to cause unnecessary suffering or injury to health’.
- children under 12 are rarely mature enough to be left alone for a long period of time
- children under 16 shouldn’t be left alone overnight
- babies, toddlers and very young children should never be left alone
日本語に訳すと、
子供を家に一人で残すことに関する法律
法律では子供が何歳になったら一人で留守番ができるかは定められていません。しかし、危険が及ぶこともありえる状態で子供を一人お留守番させることは犯罪です。
...
- 12歳以下の子供が長時間ひとりで留守番ができるほど成熟しているのは稀です。
- 16歳以下の子供はひとりで一晩を過ごすべきではない。
- 乳幼児やとても幼い子供は決してひとりで家に残されるべきでない。
もし子供を「不必要に苦しめたり健康に害を及ぼすような状況」で家にひとりで残した場合、親は起訴されることもある。
という感じです。
このように、お留守番ができる具体的な年齢や、シチュエーションが法律で明確に定められているわけではありません。でも、リスクを冒してまでも子供をひとりでお留守番させる人はほとんどいないのが現実です。
※ここで言っているのは丸一日のお留守番で、1~2時間であれば11歳ごろからさせている人も多いようです。
解決策1:祖父母宅へ預ける
共働きの親が子供の学校が長期休暇に入るときにまず最初に頼るのは、おじいちゃんおばあちゃんのようです。
特に私たちが住んでいるとこは田舎だということもあり、両家の実家が近くにあるという恵まれたお家も多いです。そういうお家では、休みごとに妻側の祖父母と夫側の祖父母がローテーションを組んで孫をみたりするようです(羨ましい限りです。。。)
祖父母が近くに住んでいなくても、休みに合わせて来てもらう、という話もよく聞きます。
解決策2:ホリデークラブ
おじいちゃんおばあちゃん作戦が使えないお家が頼る先は、一般的にはホリデークラブと呼ばれる学童クラブです。ホリデーキャンプと呼ばれることもあります。
学校やナーサリーが運営しているところから、民間企業や個人がやっているところまでさまざまです。多くはスポーツを中心とするプログラムです。
よくあるのはマルチスポーツと呼ばれるタイプです。サッカーやクリケットなどのスポーツに加え、コーチがデザインした年齢に合わせたアクティビティをするものです。
学期中は子供向けのクラスを提供しているスポーツ施設なども、終日のホリデークラブが実施されます。
コストは、クラブによって異なりますが、安いところだと9時ー15時で15ポンド(約2,000円)、8時ー17時で20ポンド(約3,000円)ぐらいです。高いところだと35ポンド(約5,000円)ぐらいです。
ランチはお弁当を持参のところが多いです。
※これは田舎価格なので、都会価格(ロンドンとか)だと2~3割増しだと思われます。
解決策3:ナニー/チャイルドマインダー/ベビーシッター
子供の預け先として、ホリデークラブのような規模の大きいところを避けたい場合は、子供のお世話を個人的にしてくれる人を探すことになります。
その場合の選択肢は、①ナニー(Nanny)、②チャイルドマインダー(Childminder)、③ベビーシッター(babysitter)の3つです。
ナニーは、お家に来てくれて1対1で子供の世話をしてくれます。事前に契約をすれば料理などもしてくれることが多いようです。
チャイルドマインダーは、日本にはまだない形態だと思いますが、複数の子供を自宅で預かってくれる人のことです。自分の子育てを終えたおばあちゃん世代の人が多いです。
ベビーシッターはナニーと同様、お家に来てくれる人ですが、お願いできるのは通常数時間です。またナニーは本業としてやっている人がほとんどですが、ベビーシッターはアルバイトとして学生などがしていることも多いです。
気になるコストは、ナニーは9ポンド(約1,300円)/hr、チャイルドマインダーは4ポンド(約600円)/hr、ベビーシッターは7ポンド(約1,000円)/hrといったところです。
例えば、ナニーに9時ー17時で預けると1万円ぐらいの計算になります。
チャイルドマインダーは、コストを複数で分担するかたちになるのでナニーよりお手頃になります。
※上記のホリデークラブ同様、都会価格は2~3割増しだと思われます。
解決策4:親も休む!
実はホリデークラブの次に多いのが、夫婦で交代で有給をとる、もしくは夫婦で一緒にとって家族で旅行に行く!という大変イギリスらしい(?)パターンです。
イギリス人の多くは、「ホリデー(休暇)のために働いている」といっても大げさではありません。学校が休みのたびに親も仕事を休み旅行へ出かける家族もたくさんいます。
イギリスからはスペインなどの近場のリゾート地であれば、格安パッケージなどを利用すればとても手軽に行けます。普段お天気が悪い日が多いこともあり、休みのたびに太陽を求めて南へ行きたくなる気持ちもわかります。
イギリスの労働環境にも問題がないわけではないですが、休みの取りやすさという面ではとても優れているといえます。
わが家も旅行に行きたい!と思って企んでいたのですが、諸事情によって残念ながら流れてしまいました。。。その結果、前半は私が全力でがんばり、後半はホリデークラブのお世話になることになりました。
あぁ、暖かいところに脱出したいです。。。