Unce Upon a Time...

イギリスの田舎暮らし、バイリンガル育児、イギリス英語についてお届けします

4歳4カ月の娘の英語と日本語

selective focus photography of pink petaled flower

 

 

目次

 

娘、小学生になりました!

娘は4歳になり、この9月から小学生になりました。

こう書くと、??と思われる方も多いかもしれませんが、イギリスでは4歳から小学校生活がスタートするのです。正確には「準備学年」と呼ばれる、言わば0年生の学年で、来年の9月から1年生(Year 1)になります。

多くの子はナーサリーと呼ばれる幼稚園に3歳ごろから行きだし、4歳から学校に行きます(もちろん日本でいう保育園もあり、そこには0歳から預けられます)。準備学年にはその年の9月の時点で4歳になりたての子(8月生まれ)からもうすぐ5歳になる子(9月生まれ)までが在籍します。

イギリスでは学期が9月始まりのため、6月~8月生まれの子たちが日本でいう「早生まれ」になり、こちらではsummer babiesと呼ばれたりします。

 

準備学年はその名の通り、1年生から本格的に始まる学校生活の準備をする学年です。遊びの要素も多く残るものの、宿題も出ますし、成績だってつきます。

日本にいたらまだ幼稚園の「年少さん」なのに、、、とつい思ってしまいますが、そんなことを言っていてもあまり意味はないので、もううちの子は小学生なんだ、と思うことにしました。

学校でどんなことをやってるのかはまた追って記事にしてみたいと思っています。

 

日本語の発達について

こちらのブログで「言葉が遅い、、、」と散々不安をもらしておりました娘の言葉について書きます。私の不安をよそに娘の日本語はぐんぐんと伸び、4歳になった時点では日本で普通に育った子と同レベルか、それ以上の日本語力になりました(親ばかですいません。。)

 

会話レベル

引き続き「お家では日本語」「外では英語」でのコミュニケーションを続けています。

外でも家族だけのときは日本語です。今年の7月まではナーサリー(幼稚園)も週3日しか通っていなかったので、接する時間としては圧倒的に日本語の方が長いものでした。

 

これは女子特有なのかもしれませんが、娘は会話すること自体を楽しんでいるようにみえます。大人同士の話もよく聞いていて、途中で「それならこうしたらいいんじゃない?」などと横から提案をしてくることもあり、あなどれないです。

 

夏に帰省した際には、年子の兄弟を育てた義理の両親に、娘の言葉の発達、特に心理的な描写をものすごく驚かれました。

4,5歳の男兄弟の場合は(こういう風に性差を固定するような発言は避けた方がいいのかもしれないですが)、「公園行きたい!」「楽しかった!」「つかれた!」「お腹すいた!」「これ好き(嫌い)!」ぐらいしか会話のバリエーションがなかったそうです。

娘が自分の気持ちを具体的に言葉にしたり、本を読みながら絵を指して「この子は今きっとこう思っているね」のように登場人物の気持ちを憶測して表現するのを見て4歳とは思えないと驚いていました。

会話をすることで「共感を求める女性」と「解決策を求める男性」という構図はこの歳でもうすでにできあがっているのかと思いました。

 

読みレベル

話し始めたのは普通より遅めだった娘ですが、読む方は小さい頃からかなり高い関心を示す子でした。

ひらがなカタカナは2歳でマスターしたので、4歳になった今は子供用の本ならすらすらと読めるようになっています。漢字も無理のない範囲で本人の気分が乗った時に少しずつ教えるようにしています。

 

夏の一時帰国では、日本の保育園をお試し体験させてみようということで、一時保育に数回預けてみたのですが、娘が初めて見る本でも難なく自分で読む姿を見て、保育士さんたちに「海外育ちなのに!」と驚かれました。

4歳児でも読むのが得意な子はいるけれど、濁点や拗音がまざる音(「じゃ」「にょ」のような)は難しいのでつっかかることが多いとのことでした。どうやって教えたのかと専門家である保育士さんに逆にいろいろ聞かれたので、娘との日々を思い出して今度別の記事に書いてみるつもりです。

 

書きレベル

いま娘が一番苦戦しているのが「書く」ということです。

「読む」ことは私から何か働きかけずとも本人に高い関心があったので、特に苦労なく本を読む楽しさを知ってくれたのですが、書く方はまだあまりその気がないようです。

それでもすこーしずつ書けるようになってきて、たまにお手紙をくれたりするのでとてもうれしいです。

でも微妙に違っている字があったりして、「この字のここはこんな風に書くんだよ」と教えようとすると、「もういいの!」と言って、ハイ終了、となります。。。これは性格なので、そのうち本人のやる気がでてくるのを待っているところです。

 

英語の発達について

娘が英語にふれるのは、今年の7月までは①週3日行っていたナーサリー(8:30-15:30)、② お友達とのプレイデートなど ③ 自宅で見る英語のビデオなど、だったのが、この9月から①は平日は毎日になりました。

 

前にも一度書きましたが、我が家の方針として日本語は family language (bonding language)、英語は social (school) languageと位置づけでいます。

複数説あるようですが、母語が曖昧なまま第二言語を学んでしまうとどちらの言葉も上達しない(逆に母語の基礎が出来上がっていると第二言語の習得も早い)、というのはバイリンガル教育の中でわりと立証されていることのようなので、学校が始まるまではまず日本語をしっかり身に付けてもらおう、と思ってやってきました。

 

その分英語については、学校に行くようになれば自然とできるようになるだろう、とあまり心配しないようにしていました。

心配しないように、という書き方をしたのは、「学校が始まったときに一人遅れをとっていたらかわいそうかも。。。」と全く心配していなかったわけではないからです。

 

会話レベル

去年(3歳なりたてぐらい)の時点では、娘の英語はいわゆるブロークンイングリッシュでした。

文章で話すものの文法はめちゃめちゃ、発音も言葉によってはうまく出せない音も多かったです。それでもナーサリーではお互いに「ベストフレンド」と呼び合う仲になったお友達もでき、その子は娘のなぞの英語をうまく理解してくれて、2人でかなり高度なコミュニケーションをとっていました。

担任の先生にも、先生やお友達が英語で言っていることはほぼ完全に理解しているようだから焦らずに、、と言われていました。

 

今年(4歳)になって、いざ学校が始まってみると、私が娘の英語は大丈夫だろうかと担任の先生に聞いてみたところ ”She doesn’t even stand out”(他の子と変わらない)との言葉をもらえました。これは私にとってけっこう衝撃でした。もちろんいい意味で。1年間の間にここまでキャッチアップできたとは驚きです。

 

これからも家では100%日本語を続けるつもりですが、やはり学校から帰ってきた直後は日本語に英語が混じります。

わかりやすく言うとルー大柴(古いか?)になります。これもバイリンガルの子にはよくあることみたいですが、そこで無理やり日本語で話させることは酷なので(そもそも学校関連の言葉は日本語で知らない可能性も高いし)、例えば娘が

 

「今日はschool yardでMrs. XXがみんなを連れてautumn leaves を拾いに行ったの。それでクラフトをしたの。それで I made a ship!!」

 

と言ったら、

 

「そうなの、今日はXX先生が校庭に落ち葉拾いにつれて行ってくれたのね。それでお船を作ったんだ。」

 

というようにできるだけ自然にそれは日本語でなんていうのかを教えるようにしています。しつこくやるとうっとうしがれるので。

 

この日本語に置き換えるプロセスは、最初は娘が嫌がるかな(中断されずにおしゃべりを続けたがるかな)と思っていました。今のところその気配はなく、ときどき「あぁ、〇〇は日本語でXXというのね?」と確認もしてくれるので、私たちには合っているのだと思います。

 

私は東京で働いてた会社がアメリカの会社だったため、娘のように海外で育った日本人がわりとたくさんまわりにいました。

彼らは大きく2種類にわかれ、英語ネイティブなのに日本語(読み書きも含め)も問題ない人たちがいる一方で、日本語は日常会話止まりで漢字が出てくると読むのはつらい、、という人たち(本人のアイデンティティも日系〇〇人、という印象)も多くいました。できれば娘には前者になってもらいたいと思っているので、今後も娘のルー語をきれいな日本語に置き換えつつ話を聞くプロセスは続けようと思っています。

 

読みレベル

日本語と比べると英語の読みは家ではほとんどやってきませんでした。

娘がこれなんて書いてあるの?と聞いてきたときに説明する程度でした。でもフォニックス(アルファベットの発音)はおもちゃで遊びながら7割ぐらいは習得していた気がします。あと英語の本を読んであげるときは、ときどき読んでいる部分を指しながらゆっくり読んだりしました。

 

現在の娘は、簡単な構文で、かつ見たことがある単語の場合は、時間をかけながらゆっくり読むことができる(ときもある)レベルです。

知らない単語の場合は、頭の中でフォニックスを思い出しながら頑張って読もうとしているので、学校で本格的にリーディングが始まったらだんだん読めるようになってくるんだろうなと思います。英語の読みに関しては、そのうち学校で習うので学校まかせにする予定です(宿題ぐらいは見ようかと思いますが)。

 

書きレベル

こちらも日本語と同様、書くのは読むほど関心が高くないようです。

ナーサリー時代から、自分の名前と仲良しのお友達の名前ぐらいは書けていましたが、そこまでです。ペンの持ち方が良くなるにつれ字がそれらしくなってきましたが、「もっと書きたい!」という意欲はみられないので、英語の読みと合わせてこちらも学校まかせで行こうと思っています。

 

今後・・・

両親がそれぞれ違う言葉を話す場合は、子供をバイリンガルとして育てたいカップルはそれぞれが自分の母語で話しかけるやり方が一般的かと思います。

とは言え、夫婦間の会話で使われる言葉に引きずられてしまったり、家族で食事をしているときに同じことを2度言わないといけない場面が多くなったり(夫婦どちらもが相手の言葉をかなりのレベルで理解できるなら別ですが)、他の人がみんな現地語で話しているのに片親だけ子供に違う言葉で話しかけないといけないのはちょっと気まずかったりと、まわりの国際結婚カップルを見ていても苦労が多そうだとは思います。

 

一方で、私たちのように両親ともに日本人が海外で(それも田舎で周りにあまり日本人がいない環境で)子供をバイリンガルとして育てるのも何かとチャレンジが多いです。

特に、これからは学校で過ごす時間が長くなってくるので、家で日本語をしっかり伸ばせる環境を作ってあげる必要があります。まわりを見ていても、外国人夫婦の子供は学校に入ったタイミングで母語を忘れていく(もしくはそれ以上伸びない)例をよく見ます。

せっかくここまで来たので、娘にはぜひ環境的なアドバンテージを活かしてバイリンガルになってもらうべく、おかーさん頑張ってサポートしようと思います!