Unce Upon a Time...

イギリスの田舎暮らし、バイリンガル育児、イギリス英語についてお届けします

娘を信じる

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今日はちょっと感動的なできごとがあった。今回は完全に親ばか話です。すいません。

 

用事で車で1時間半ほどのところへ行かなくてはいけなかった。そこまでの道が複雑で、未だに運転が苦手な私は「いやだないやだな」と思いながら車のキーを回そうとしていた。

 

ると、後部座席から、「おかーさん運転いっぱいじょうず!おとうさんみたいよー!」と娘の声が聞こえた。振り向くと満面の笑みの娘。「いっぱい○○」というのは、娘の言葉で「すごく」の意味。苦手な道を運転して行かなくてはならず気が乗らない私を勇気づけようとしてくれたのだ。いつもはふざけて(?いや、本気なのかも?)、「おとーさん運転いっぱいじょうず、おかーさん運転ちょぴっとじょうず!」などと言っているのに、今日は私の顔色をみてお世辞とも言える言葉を使って励ましてくれた。

 

これまでも娘の優しさにほろっとさせられたことは何度かあった。

私が「おかあさんお腹痛いんだよー」と言うと「いたいのいたいのとんでいけー」をしてくれたり、重いものを運んでいると、「よいしょ、よいしょ」と言いながら手伝ってくれようとしたり、泣いているお友達がいたら心配そうにしたり(でもシャイなので声はかけられない)と。しかし娘が言葉を使って私の気持ちに寄り添ってくれたのは初めてだった。

 

 

娘は話し出すのが遅かった。2歳の誕生日を迎えても単語らしい単語は発音できなかった。

発音できるのは単語の最初の音か最後の音の一音のみで、あとは大抵「あっあっ」「んっんっ」ですましていた。明らかに大人が話す言葉を理解していて、記憶している言葉もたくさんあるのに、一向に言葉を使おうとしない。周りの子たちは日に日におしゃべりが増えていくのに、うちの子はなぜ話さないのだろうかと不安な日々だった。

 

日本語と英語のバイリンガルになれる環境を整えるつもりだったが、バイリンガルどころか一言語も危ういのではと思い、いっそのこと混乱を少しでも減らすためにプレイグループやママ友たちといっしょに遊ぶのをやめて、日本語オンリーの環境にしようかと思ったりしたこともあった。

ネット上にあふれている関連情報をあさりさらに不安になるループを繰り返したりもした。そのうち言葉の遅れだけでなく娘の他の行動パターンまで心配になり、スピーチセラピストのアポまでとった。*1

 

でも、今日娘は、必死に自分の知ってる言葉の全てを使って私をはげましてくれようとしていた。

 

思いおこせば、娘は全く話せなかったころから自分が出せる限りの音と身振り手振りを使って私とコミュニケーションをとろうとしてくれていた。そんな娘を私は 言葉が出ない という側面からしか見ることができていなかった。


ごめんね。
何を不安になっていたんだろう。もっとあなたを信じてあげたらよかった。

これからは いろんなことがあると思うけど、あなたなら大丈夫。お母さんはあなたを信じる。

 

*1:イギリスの医療制度は何かと時間がかかることが多く、実際に見てもらえたのはアポをとってから5か月後だった。その時には娘の発語はかなり増えていたのでセラピーを受けることはなかった。