Unce Upon a Time...

イギリスの田舎暮らし、バイリンガル育児、イギリス英語についてお届けします

仕事と家庭と趣味 同時に手に入れられるのはどれか2つだけ?

pen, notebook, and smartphone on table

 

日本から家族や友人が遊びに来たりしていたので最後の記事からかなり日があいてしまった。。

 

仲良くなったスペイン人のママ友が祖国へ帰る決断をした

普段私が仲良くしているママ友の中でも、特に仲のいい友人がもうすぐこの町を去ることになってしまった。

この友人はスペイン出身で、彼女とはプレイグループで知り合ったのだが、もはや私にとっては「ママ友」ではなく普通の友達(?)と呼びたいほど親しくなった。こう書くとママ友は友達ではないような印象を与えるがその話はまた今度。。

 

この友人には私の娘と同じ年の女の子がいて、出会った当時は産休中だったが今ではフルタイムで復帰している。旦那さんも家事育児に協力的で、私にとってはキャリアも大事にしながら育児もこなす、ロールモデル的な存在だった。

 

仕事と育児を両立しているとは言っても、そこはスペイン人の気質なのか、全てに完璧を求める結果、がんばりすぎて共倒れになるというようなことはないのだろうな、と思っていた。

 

ところが先日、彼女から涙ながらに「祖国に帰る決断をした」と打ち明けられた。理由はおじいちゃんおばあちゃんのサポートなしでこの生活を続けることはもう不可能だからということだった。

 

平日は朝子供を起こしてすぐ保育園へ連れて行き(子供は朝ごはんも保育園で食べる)、夕方まで仕事をして、仕事を終えてから旦那さんと交代で子供を迎えに行き、夕食を適当に食べたらすぐ子供を寝かせる時間になる。

 

1日のうちで子供と関わる時間はほとんどない。さらに子供も保育園で1日遊んだあとで疲れていて機嫌が悪いのに、自分も仕事を終えて帰ってきたばかりで子供の癇癪に余裕をもって対応するエネルギーはない。

 

週末は週末で彼女も旦那さんも疲れているので、子供と一緒に遠出して週末を楽しむという余裕がなかなかもてない。結局必要な食材や日用品の買い出しだけして週末が終わってしまう。そしてまた月曜日がくる。

このような生活をエンドレスで続けるのはもう無理だと判断したそうだ。スペインに帰れば両親にサポートをしてもらいながらもう少し人生を楽しむことができると思う、と話していた。

 

考え抜いての決断ということだが、せっかく仲良くなった友達がいなくなってしまうのはとてもさみしい。しかしこの話を聞いて一つ思い出したことがあった。

 

女性は「仕事・家庭・趣味」の全てを手に入れることができるのか

東京で働いていたころのメンター的な存在だった人に、女性は「仕事・家庭・趣味」全部を手に入れることは無理と思った方がいい、同時に手に入れられることができるのはどれか2つだけだ、と言われたことがある。

ここでいう「家庭」は子供をもつという選択をするということも含む。

 

結婚しないで「仕事」&「趣味」で生きるのか、結婚して「仕事」&「家庭」もしくは「家庭」&「趣味」でいくのかどれかだと言われた。

結婚して子供をもつと、仕事を続ける限りもう趣味の時間はなくなる。また子供もいて自分の趣味の時間も大事にしたいなら仕事はできない、というような話だった。酔っ払いながらの話だったので多少違ったかもしれないが私はそう理解して覚えている。

 

この話にあてはめると、今の私は「家庭」&「趣味」のセットであり(趣味とよべるほどのものでもないが、それでも家事育児にあいた時間は好きに使って楽しんでいる)、私の友人は「家庭」&「仕事」だ。

私は「家庭」&「趣味」に「仕事」も加えようとしてもやもやしているところであり、友人は「家庭」&「仕事」に「趣味」も加えようとして無理だと判断したということだ。

 

しかし、3つを手に入れることは、祖国に帰れば可能だと彼女が気づいたように、環境次第な気もする。

おじいちゃんおばあちゃんが近くにいるなら、子供が1人なら、夫の家事能力がもう少し上がれば、仕事の種類が違えば、他の趣味なら、など何か環境を変えることで女性が3つを手に入れることができるのは不可能ではないはずだ。

 

おそらく私が友人の立場であったら、仕事と育児でいっぱいいっぱいな人はたくさんいるし、週末疲れて何もできなくてもそれってわりと普通だし、、などと考え現状を変えようとしないかもしれない。

どんなことでも環境を変えるのは勇気がいることだ。それでも、このままでは人生楽しめない!と大きな決断をするのはとてもスペイン人的で、毎日いっぱいいっぱいで人生楽しめてなくてもまぁ仕方ないかとなってしまうのは、私が日本人的な考え方をしてしまっているからか。。

彼女と会えなくなってしまうのはとてもさみしくなるが、最後まで多くを学ばせてくれる人であった。いつかスペインに遊びにいこうと思う。