Unce Upon a Time...

イギリスの田舎暮らし、バイリンガル育児、イギリス英語についてお届けします

子供はいつから人種を意識するのか

two girls walking on street

 

先日、普段から仲良くしている友人の子供(5歳)に突然 "Are you from China?"と聞かれた。

この子のお父さんはイギリス人、お母さんは非EU圏の外国人であり、私はこのお母さんと親しくしている。お母さんの話によると、学校のクラスメイトに中国人の子供がいて、最近になってその友達は「中国という国から来た」ということを理解したそうである。それ以来、いろんな人がどこから来たか、ということに興味を持つようになったらしい。

 

彼はお母さんの故郷である国に数回行ったこともあり、「お母さんは(イギリスではない)外国から来た」ということも理解している。

しかし、私に中国から来たの?と聞いたのは、きっと彼の中で「この人は友達の○○くんと同じ見た目(人種)だ➡○○くんは中国から来たと言っていたな➡この人も中国から来たのかな」という思考がはたらいたのだと推測できる。

 

この男の子の前で英語以外の言葉で話したことはないし、日本の話も彼にしたことはこれまでなかったので、この子にとって私が外国人であることを予想しうるヒントは外見のみである。つまり、この5歳の男の子は人種をカギにして、しかもアジア人のいうカテゴリーにちゃんと結び付けて、私の出自を想像することができた。

 

この日は、「おしいなー、中国ではないんだけど、中国ととても近い国だよ。日本という国。○○くんは日本はどこにあるか知ってる?」と言って壁に張ってあった世界地図で場所を教えてあげた。その子はしばらく私が指さした日本の場所をながめたあと、別の話を始めたのでその時はそれでその話は終わった。

 

 

この会話がきっかけとなり子供はいつ頃から人種を意識しだすのかが気になったので少し調べてみた。研究によると、どうやら産まれて3か月の赤ちゃんでも相手が自分と同じ人種かそうでないかは区別がつくそうである。*1

 

しかし、ある程度の年齢までその人種の「違い」は認識していても子供たちにとってさほど重要な意味は持たないようである。例えば、10カ月から2歳半までの子供たちに知らない大人からおもちゃを渡す実験を行ったところ、子供たちはどの人種の人からも同じようにおもちゃを受け取ったそうである。

ところが、5歳ごろになると、自分と同じ人種の人を選んでおもちゃを受け取るようになるそうである。*2

 

 幼いころは人種は単なる「違い」-おそらく背が高い人低い人、太っている人痩せている人、などと変わらないほどのものが、ものごころがつく頃になると自分と同種のものにより安堵感をもつようになるのであろう。

私の娘はスーパー人見知りなので初めて会う人の前で100%の確率でフリーズするのだが、そのうちアジア人に対してはうちとけるのに時間がかからなくなったりするのだろうか。

 

5歳ごろと言えばイギリスでは小学校入学にあたる。娘がその年になるまでこの街にいるかどうかは全く未定だが、もしいる場合は娘は全員白人の中で「クラスでただ一人のアジア人の子」になる可能性が高い。

しかも娘の場合はアメリカで産まれたため、冒頭の男の子の質問のようにどこから来たのと聞かれたときに、私と違ってI'm from Japanとは言えない。でも、娘が胸をはってI'm Japanese!と言えるように、できる限り日本に関するポジティブな印象をもってもらうべく家庭でできることはしていきたい。