イギリスの現地校に通う4歳の娘は日本語と英語のバイリンガルです。今のところ日本語の方が得意ですが、英語がキャッチアップしてくるのも時間の問題だと思っています。
そして当然ですが英語と日本語は文法が違います。二つの言語を同時進行で習得しているバイリンガルの子供たちは特有の言い間違えをします。
正確にいうと「間違い」というよりは、「自然な言い方ではない」と言った方がいいかもしれないです。
国際結婚をされているママさんたちからよく聞くエピソードとして、子供に「ちょっとこっち来て!」と言うと、
今くる!!
と返ってくる、というのがあります。うちの娘もときどきやります。
正しい(自然な)日本語だと「今いく!」ですが、英語だとこのシチュエーションでは
I'm coming (now)!
となります。直訳すると「今くる!」ですね。
さらに「今くる!」を英語に直訳すると I'm going! になりますが、これは「(どこかに)行っちゃうよ!」という反対の意味になります。確かにややこしいですよね。。
他にもあります。
娘はよく部屋でぬいぐるみたちと「幼稚園ごっこ」をしているのですが、先生役になって
誰がこの〇〇ほしいですかー?
と言っていました。
自然な日本語だと、「この〇〇ほしい人いますかー?」だと思います。
娘はきっと先生が、
Who wants this 〇〇?
と言っているのを聞いていて、日本語でマネしてみたんだと思います。気持ちはわかるが、惜しいところでした。
また、答え方も、日本で普通に育った子なら、例えば「シール欲しい人~?」と先生が言ったら、「はーい!」と答えると思います。
娘は、ぬいぐるみに
わたしでーす!
と言わせていました。
おそらく英語では先生が Who wants a sticker? と言ったら、
Me!
と答えるからだと思います。
文法構造が全然違うので、日本語で同じことを言われている場面を経験しないまま、英語を先に聞くとこうなるんだな、と思いました。
あとは日本語と英語では同じことを聞かれても肯定か否定かが変わる場合があります。いわゆる英語の付加疑問文というやつです。
例えば、外が寒いのにコートを着ようとしない娘に、「寒くないの?」と聞くと
ううん、寒くない!
と返ってくることがあります。
あれ、こう書くとあまりおかしく見えない気もします。でも娘が言うのを聞くと違和感があるのです。
なぜかというと日本語では否定するときも「うん(はい)」で答える場面があるからです。
他の例でいうと、子供に「このお菓子すきじゃなかったよね?」と聞くと、普通の日本語ネイティブの子なら、好きじゃないという意味で「うん」というのではないでしょうか。
でも英語の場合は、
You don't like this, do you? (これ好きじゃないよね?)
- No. I don't like it! (うん、好きじゃない!)
- Yes. I like it! (ううん、好きだよ!)
日本語と英語ではイエスとノーが反対になるんですよね。ややこしい。。書いていてこんがらがってきました。
こういう意味はわかるけどちょっと違うんだなー、というときに、どこまで訂正するかは悩ましいです。あまり言いすぎると確実に嫌がれるので、ほどほどにしつつ、間違った言い方が定着してしまうまでにうまく自然な日本語を教えてあげたいところです。