今日は家庭でしてきた日本語学習の話です。記憶が薄れないうちに書いてみます。まずは3歳編。
3歳のときの生活環境
娘は2歳のあいだはなかなか発語が増えず、私も焦燥感からかなりストレスをためてしまいました。そこに魔の2歳児的な要素も加わり、まさに暗黒の時代でした。。
3歳になると急におしゃべりも増え、会話も成立するようになりました。長かった暗黒の時代の後にやっとやって来た雪どけの時代でした。
娘はアメリカ(の田舎)で生まれ、生後半年のときにイギリス(の田舎)に引っ越してきました。田舎なので駐在の方なども少なく、周りに日本語を話す人が少ない環境だったので、私が日本語を教えないと!とけっこうプレッシャーに感じていました。
3歳までは保育園や幼稚園に通わせなかったのですが、日本語の基礎をしっかり作ることもその理由のひとつでした。(あ、2歳半のときに、良かれと思ってお試しで一時保育的なところに預けようかとしたこともあったのですが、あまりに号泣し親子ともに耐えられず断念したという経緯もあります。。。)
3歳からは幼稚園(ナーサリー)に週3日、8時半~3時半まで通いました。幼稚園は英語なので、平日2日間と週末に日本語学習を意識的に行っていました。(家庭では100%日本語で話しています。)
以下、どのようなことをしていたかご紹介します。
しりとり
言葉遊びのテッパンですね。
語彙を増やすにはもってこいでした。娘は今でもしりとりが大好きで待ち時間や車の中でよくしています。
特に海外で子育てをしていると、日本で暮らしていれば日常的に接するであろう言葉でも、意識して教えないと子供はなかなかふれることができないこともあります。
例えば「でんしんばしら」。イギリスは日本より電柱や電線の埋没率が高いです。しりとりで「うで」や「ふで」が出てきたら、の次に「で」で始まる言葉を探さないといけないのですが、そこで私が「でんしんばしら」を言わなかったら娘がこの言葉に出会うのはかなり後になっていたと思います。
他にも、「ぎんこう」など、3歳児相手の会話には普段あまり使わない言葉の説明をする機会にもなりました。「ぎ」など濁音で始まる言葉ってなかなか思いつかないので、苦し紛れにちょっと難しい言葉を持って来ざるをえないんですよね。
あとは「そんな言葉を知ってたの!」というような言葉を娘が言っておどろかされることもよくありました。
私の反応を見て、娘も「ちょっと難しい言葉を言っておかーさんをおどろかせてやろう」というモチベーションになっていたような気がします。(記憶に残っているのは「べ」で始まる言葉を探していたときに「べそっかき」と娘が言ったときです。べそっかきって今は口語であまり言わないですよね。絵本に出てきたのを覚えていて使ってみたようです。)
あいうえお作文
あさ かんがるーの
いすの きって
うえで くれた
えらそうな けむくじゃらの
おっとせい こぐま
あいうえお、かきくえこ、などを頭文字にした言葉をつなげて文章をつくる遊びです。私は小さい頃あまりやった記憶がないのですが、谷川俊太郎さんのこの絵本で知りました。
この本はちょっとシュールな絵なので初めはどうかなと思ったのですが、すっかりお気に入りになり今やボロボロです。頭文字を最初に決めて文章を作っていくので、どうしてもおかしな文章になってしまうのですが、それがなかなか楽しいです。
私たちがやっていたのは、もっぱら人の名前でのあいうえお作文でした。まずは娘のフルネーム、次に私や夫の名前、「おかあさん」や「おとうさん」で作ることもよくありました。思ってもみない詩的な文章ができあがることもありました。大人としてはしりとりよりも楽しめる要素が多かったです。
お手製のなぞり書きプリント
文字の練習用のワークブックは、薄く印刷してある文字を子供がなぞって運筆練習をするものが多いと思います。娘は今も昔もあまり書くということが得意ではないので、ワークなどは上手に書けないとわりとすぐに投げ出してしまいます。
そこで、メモ用紙や白紙のコピー用紙に私が点をつなげて文字を書き、娘が点をつなげながら字をなぞる、という遊びをするようになりました。
初めは時間つぶし程度にやっていたのですが、いつの頃からかこれは我が家では「てんてん」と呼ばれるアクティビティになりました。
娘も「おかーさんてんてんしてー」とよく紙を持ってきていました。ひらがな、カタカナ、アルファベット、ほぼ全部これで書く練習をしたような気がします。なぞってばかりだと自分で書けるようにならないかと思い、同じ言葉を4つぐらいなぞったあとに自分で書くスペースも作ってみたりしていました。
ちなみに、娘はなんでも私や夫に書いてもらうのが大好きです。塗り絵も私が下絵を描いて娘が塗る、というのを今でもよくやります。最近のブームは「おかーさん迷路書いて!」。迷路書くのってむずかしい。。。
ただ、娘は何度もお手本を見ながら同じ字を繰り返して書く、という練習をしていないため、今でも微妙なかたちの字も多いです。「とめ」とか「はらい」とか正しい書き方はあまり身についていないです。
やる気を優先させるために私が厳しく言ってないからだと思います。来年から通う予定の日本語補習校(在外児童のための日本語学習の場です)で指摘されると思うので、そこで嫌になってしまわないことを今から祈るばかりです。。
こどもちゃれんじ
※娘が書いた 「はなちゃん」(しまじろうの弟です)
こどもちゃれんじには本当にお世話になってます!1歳のころから始めてもう3年目です。
私が必死に探さなくても毎月年齢にあった教材が届くので安心です。うちではプラス500円で毎月絵本を一緒に届けてくれるサービスにも入っているので、娘はこちらの絵本も毎月楽しみにしています。私だったら選ばないような本の月もときどきあるので、本のバリエーションも増えていいなと思っています。
ちゃれんじを購読していて良かったと思う点はいくつかあるのですが、中でも「娘の話す日本語が子供らしい自然な日本語になった」、という点があります。
娘が普段耳にする日本語は私と夫が話すもので9割を占めます。同世代の日本語を話すお友達と遊ぶこともあるのですが、場所柄そういった機会はそう頻繁にはありませんでした。そんな環境にいた娘も、しまじろうのマネをして、「だって〇〇だもん!」などのような子供特有の話し方をするようになりました。
あとは、イギリスにいるとうっかり忘れてしまいそうな四季折々の日本の情景(夏の花火とか秋の虫の声とか、、、どちらもイギリスにはありません)になんとなくでも触れられるのはとてもいいなと思います。
絵本
一番最後に書いてしまいましたが、やはり娘の日本語に最も影響を与えたのは絵本の読み聞かせかなと思います。子供といっしょに本を読むことについては先日こちらの記事に書きました。
3歳のあいだは、月に1回程度行っていた日本語のプレイグループで本の貸し出しサービスがあり、そこで本を借りて読んでいました。
このプレイグループにも本当にお世話になりました。高速をぶっ飛ばして往復3時間弱かかるの場所にあるので連れていくのが大変な時期もありましたが、ここのおかげで日本語の絵本をたくさん読むことができました。あとは日本に一時帰国したときに買って持って帰って来たり、両親や義両親がたまに送ってくれたりしました。
お気に入りの本シリーズはまた別記事でいつかご紹介したいです。