Unce Upon a Time...

イギリスの田舎暮らし、バイリンガル育児、イギリス英語についてお届けします

2歳9カ月の娘の英語

selective focus photography of red flowers

 

2歳9カ月になる娘は赤ちゃんの頃から人見知りで、今でも知らない人に対しては非常にガードが堅い。それは英語の環境でも日本語の環境でも変わらない。

プレイグループに行き始めるまでは、他の子供に接する機会が少なかったため子供はそんなもんなんだろうと思っていた。だかた初めて会う私に笑顔で話しかけてくる人懐っこい子供たちは私には衝撃であった。

家では明るくおしゃべりなのに、外で知らない人に話しかけられると地蔵のように固まる娘。心配した時期もあったが、まぁそういう性格なのだと受け入れてからはあまり気にならなくなっていた。

 

目次

 

娘の英語でのアウトプットが増えてきた

そんな娘も最近やっと人前で少しづつ自分を出せるようになってきた。と同時に、娘が実は英語も話せるようになっていることがわかってきた。私と娘の会話は基本的に日本語なので、娘が最近になって他人とコミュニケーションをとるのを見るようになるまで、娘が英語を話すのを聞く機会はなかった。

 

どうやら娘は完璧主義者のようで、何ごとも私からどう働きかけようが彼女の中で自信がつくまで新しいスキルを試そうとしない。そのためよちよち歩き(そして転ぶ)というのもあまりなかった。今か今かと見守る私たちに前でかなり長い間つたい歩きをする期間があり、手を放して歩き始めたと思ったら次の日には走ってた。たぶんかなり前から歩こうと思えば歩けたんじゃないかと思う。トイトレも同様。一向に興味を示さない、、と思っていたら、自分の中で機が熟した(?)タイミングで突然できるようになり2日間でトイトレは終わった。

 

言葉に関しても同じで、なかなか話し出さないと悩んでいる私をしり目に娘の中では着々とボキャブラリーを積み上げていっていたようで、話し出したときには単語のみの発語だったのは2週間ぐらいですぐに文章で話していた。

日本語に遅れること数か月、英語のアウトプットにも自信がついたのか、3歳を目前に社会性がでてきたからなのか、最近は散歩中に人に話しかけられるとちゃんとhelloと言ったり、名前や年を聞かれたら答えられたりするようになったなと感動していた。また英語の絵本を読んだりDVDを見ているときに私やキャラクターのまねをして英語で何かいうことも増えてきたなぁと成長を感じていた。

 

しかし先日、実は娘の英語はもう少し先をいっていることがわかった。買い物中に何かのキャンペーンで子供に風船を配っていて、店員さんにDo you want a pick one or blue one?と聞かれ、I want a blue one, please! とはっきり言っていたのがちょっと離れたところでお会計をしていた私にも聞こえた。日本語同様、単語だけの発語のフェーズをすっとばして文章で話すようになっているようだ。

 

日本語は親との絆の言葉(bonding language)、英語は社会の言葉(Social language) 

娘が赤ちゃんのころは「家庭では日本語、外では英語」で話しかけていた。しかし2歳ごろになってもなかなか話し出そうとしない娘に不安になり、日本語オンリーに切り替えた時期もあった。

今はまたお家では日本語、外では英語で接している。それでも両親とも日本人の娘が英語に接するのは平均すると一日2時間程度だろうか。週末など丸一日家族で過ごしDVDも見ないと一日英語を聞かない日も多いのでもしかするともっと少ないかもしれない。

 

今までは、どんな状況であろうと日本語で話していた娘だが、最近になってプレイグループなどでは少しずつ英語で話すことも増えてきた。

ここでは英語がsocial languageでみんな英語だし自分も話さなきゃと理解したのか、2歳児なりに気を使ってるのか。。。そういうこともあり、最近は娘にMummyと呼ばれることも徐々に増えてきた。

 

 

おそらく、娘が学校に行くようになると(イギリスでは4歳から)、日本語をキープすることの方が難しくなってくる。それを考えると、親のと会話のベースの言葉として日本語が先に確立できたのはとてもうれしい。

 

以前の記事でも書いたが、国際結婚などで両親が違う言語を話す場合は「1人1言語(多くの場合はそれぞれが母語で話す)」のやり方が一般的だが、海外で両親ともにマイノリティ言語(その地で共通語として話されている言葉ではない言語)が母語の場合は、まず就学前に家庭で母語を確立させておくと、学校に行き始めたときにschool langugageとして現地の言葉をスピーディに習得できるらしい。*1 

それに、夫婦とも日本語が母語の私たちとしては、仮に将来的に娘が日本に住まないとしても、日本語で普通にコミュニケーションがとれるようになっていて欲しい。

私が育ったときとは全く違う文化の中で娘が育つことを考えると、母語での親子間のコミュニケーションがとれるということは、今後親子関係を築くうえでとても重要になってくる気がしている。

 

ちょっと変な日本語

ちなみに娘は2歳児にしてはちょっと不思議な日本語を話すように思う。

まず最初に、会話の中で助詞を多用する。例えば、「何食べてるの?」と聞くと、

 

「○○(自分の名前)おにぎりを食べて(い)るのよー」

 

と言う。「おにぎり」のあとに「を」が入ることで若干文語的感じになる。

他にも自分のことを話すときは、ほぼ必ず主語(自分の名前)のあとに「は」「が」などを使って話す。

私の想像では、これは絵本の影響ではないかと思う。ひらがなとカタカナをマスターし、絵本が大好きな娘はここ数か月は自分で読むようになった。

少なくとも私は娘と話すときにそんなかたい感じで話していないので(例えば「お母さんはこれが好きよ」というよりは「お母さんこれ好きよ」と言っている。)、本に出てくる文章で文法構造を学んだのだとしか思えない。

 

二つ目は、ちょっと芝居がかった話しかたをする。

これは確実に最近ドはまりしている魔女の宅急便のキキの影響だ。例えば先日水族館に行ったときには水槽で泳ぐ魚たちをみて、「わぁ、すてき!」と言っていた。末尾に「わ」もよくつく(○○はこれがいい、お父さん遅いね、心配だ、など)。なんだか日常をドラマチックな感じにしてくれるのでちょっと楽しませてもらっている。

 

一時期は娘の言葉が遅いことが心配でたまらなかったことを考えると、現在の娘の会話力は私にとっては奇跡的だ。最近はプレイグループの帰りなどにカフェでお茶やランチをしながら娘と今日はどうだったと話をするのが私の大きな楽しみでもある。

先の見えないトンネルにいるような気がしていたあの頃の自分に、「大丈夫だから○○のことを信じて見守っていて」と言ってあげたい。

*1:言語学者のMaryanne Wolfが書いた一般向けの本で読みました。こちらです 

Proust and the Squid: The Story and Science of the Reading Brain: 9780060933845: Medicine & Health Science Books @ Amazon.com